三文会

東大周辺で毎週土曜朝に行っている勉強会です。毎週違う人の話を聞きながら、参加者と発表者が相互に議論をしあいます。テーマ、参加者ともに多様性が特徴です。※2020年3月から、オンラインで開催しています。

次回2月22日(水)【医療崩壊の真実】

今週の三文会は、医療界に特化した人材サービス業を事業展開している代表株式会社Dプラス代表取締役 勝又健一氏による「医療崩壊の真実」です。

勝又社長は、医師の紹介業の代表をしており、病院には採用コンサルティング、医師にはキャリアコンサルティングをしています。病院が抱える本当の問題、医師が抱える悩みを解決しながら、医療業界の発展に寄与しています。

その勝又社長に、ご自身が2009年に出版された「医療崩壊の真実」に基づいて発表をしていただきます。

興味がある方は、医療崩壊の真実 (アスキー新書) 勝又健一著をご参照ください。

①医師を目指し、医療業界の裏側を知りたい方

②なかなか知られてない、医療業界の実際を知りたい方

③これからの医療に、漠然と不安を抱えている方

④医療関係の仕事をしてみたい方(Dプラスはインターンも募集しております)

は是非ご参加ください。

以下、発表内容のご紹介です。


最近では医療崩壊問題に対して、世間の注目も集まり、少しずつ一般的にも現状を認識するような動きが出てきました。

また、行政側からも「医者を増やす」「診療報酬を見直す」といった対応策も出されてきて、医療問題を改善しようという流れが着実に進んできたことは、本当に喜ばしいことだと感じています。

とはいっても、単純に医学部生を増やしたり、瞬間的に報酬を高めるだけで問題が解決しません。訴訟やクレームヘの恐怖、

患者の意識不足から、過剰な労働時間、赤字やむなしの病院経営など、問題の根も深くさまざまです。

それでも、医療崩壊問題を解決していくためには、今できることから、たとえひとつずつでも始める必要があるはずです。

私が考えるそのひとつとは、「医者が働きやすい環境」を作ることにほかなりません。具体的には、まず「医者が働きやすい病院」を増やすことです。

ささやかな解決策かもしれませんが、今現実として働いている先生方を支えられるのは、病院という現場しかないのです。

そして、患者が医療を受けられる場も、病院なくしては始まりません。

その証拠に、先生方の多くは「医者の仕事自体にはやりがいを感じる」と言います。いくら医師不足と言っても、「もう医者なんか辞めたい!」という先生は少数派です。結局、激務や評価に不満を持った先生方が、次々と病院を辞めているのです。

医者が「この仕事を続けたい」と思える環境、働きたいと思える病院がなければ、たとえ医者全体の数が増えたところで、病院を去る医者は増えるだけでしょう。肉体的にも精神的にも働き続けることが難しい環境で、医者が疲弊していく状況も変わらないでしょう。

さらに、もし日本に適切な医療施設がなくなってしまえば、いずれは私が危惧するように、医者の海外流出が現実のものとなってしまうかもしれません。

「良い病院」の定義は一言で表現するのは難しいですが、最近の私は「良い病院」とは「医者が働きやすい病院」なのだと、つくづく感じるようになってきました。なぜなら、そうした病院には自然に医者が集まってきますし、優秀な医者が力を発揮できる環境であるということにつながるからです。

そうなると、患者さんに対しても良い治療を提供できる可能性が高いわけです。医者同士や医者対患者という人間関係も良い場合が多いです。医者が病院に定着することで、患者は安心して治療を続けられますし、無駄な経費も減ります。また医者が充足していれば、現場もきつい勤務体制を強いなくてもよいので、ストレスからくるミスなども防げるでしょう。

つまり、医者が生き生きと働いている病院は、患者にとっても良い病院である可能性が非常に高いのです。

【一分間スピーチのテーマ】

「あなたが抱いている医療業界の不安を教えてください!」

【勝又健一氏プロフィール】

勝又健一(かつまた・けんいち)

1965年生まれ。 1988年株式会社リクルート入社。企業の採用支援業務を担当後、1999年「民間医局」を運営する

株式会社メディカル・プリンシプル社創業に参加。「DOCTOR’S MAGAZINE」編集長、麻酔科プロジェクトの立ち上げなど医師専門エージェントとしてのキャリアを磨く。2006年株式会社日本医療情報センター(略称「JAMIC」、現・株式会社リクルートドクターズキャリア)を経て、2008年株式会社Dプラス設立。医師紹介業、医師採用・雇用維持などのコンサルティング業務を提供。定評ある麻酔科医ネットワークや採用ノウ

ハウの提供を軸に、病院、医師、患者全員にとってよりよい医療環境を作り出すことに力を注いでいる。


参加費(朝食込み):学生 600円(2011年より変更)、社会人 1200円(朝食抜きの場合は、300円、600円とします)
参加連絡は参加確認フォームからお願いします。※ちなみに毎回このようなお弁当(スープ・コーヒーつき)が出ます。 場所は、以下の地図を参考にしてください。最寄り駅は、本郷三丁目(徒歩15分)、東大前(徒歩10分)、春日駅(徒歩15分)です。本郷6-2-9のマンションの2階になります。 東大正門(赤門ではありません)前の「モンテベルデ」という喫茶店です。

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