すっかり春めいてきましたね。寒暖の差が激しい昨今いかがお過ごしでしょうか。
さて、今週の三文会では人文社会系研究科修士課程の西山さんから【イスラーム思想史】のお話をしていただきます。オリエント薫る春風に吹かれてみませんか。
参加を希望される方は、参加申込をお願いいたします。
以下、西山さんからの紹介です。
こんにちは。 イスラム学研究室所属、修士課程2年の西山健人と申します。 在学中は、イブン・カイイム・ジャウズィーヤ(Ibn Qayyim al-Jawz?yah)という14世紀の著述家・活動家の思想史的側面を研究していました。
日本を含む非イスラームにおけるイスラームのイメージはあまり良いとは言えません。先日のアルジェリア人質拘束事件の際の報道では盛んにイスラーム過激派武装勢力の蛮行が報じられ、本年度アカデミー作品賞を受賞した『アルゴ』においても、西洋人を追い詰める残忍なムスリムの姿が描かれています。
これらの情報には多大に事実も含まれており、それもまたイスラーム世界の「真」であることは確かです。 しかしこれらの断片的な理解が、我々が冷静かつ客観的に中東世界を見ようとする目を曇らせる原因となっているのもまた事実です。 他者を理解するということは、大変手間と根気のいる作業であり、受け身の姿勢で情報を得ているだけでは、その本質を把握することはできません。 そういった意味でも今回は、みなさんがイスラームについてのリテラシーを高めるきっかけとなってもらえばと考えています。
本発表ではみなさんにあまり馴染のないと思われるイスラーム思想史の中でも、現代のイスラーム復興主義運動(いわゆる原理主義)に思想的基盤を提供したとされている思想潮流を中心に話を進めていく予定です。
質疑応答を交えた意見交換の時間も長めにとりたいと考えておりますのでご参加いただければ幸いです。
【1分間スピーチのテーマ】 日本のムスリム人口は10万人前後であると言われているが、では日本でイスラームを学ぶ(研究する)ことの意義は何だろうか?
※三文会では発表者を募集中です。
興味のある方はsanmon-