三文会

東大周辺で毎週土曜朝に行っている勉強会です。毎週違う人の話を聞きながら、参加者と発表者が相互に議論をしあいます。テーマ、参加者ともに多様性が特徴です。※2020年3月から、オンラインで開催しています。

10/21 キューバを知りたいか?

今日は「キューバを知りたいか?」というタイトルで、早稲田大学4年生の山田絢子さんが発表して下さいました。

キューバと言えば、野球?ラム酒ヘミングウェイ?そんなイメージしかありませんでした。 しかし、実際に旅行に行った方からのお話を聞くと、キューバの新たな一面が見えてきました。

キューバは今年革命50周年です。 アメリカをはじめとした資本主義大国に囲まれた中にぽつんと位置する社会主義国家です。 山田さん曰く、「ソ連や中国に囲まれたなか、味方のアメリカからは遠く離れたところにある資本主義国だった、かつての日本とたち位置が似ている」と。

教育や医療は基本的に無償で、キューバ人はそのような自国のシステムに誇りを持っています。 ただ、社会主義に常について回る問題点として、「成果主義ではないためにモチベーションがあがらない」という課題があります。 野球が非常に盛んでレベルも高いけれど、成果主義ではないためにモチベーションがあがり切らず実力を出せなかったり、本当にうまい人は亡命してしまうという現実があります。

私は知らなかったのですが、キューバは医療のレベルが非常に高いそうです。 アメリカや第三世界の要人が、自国の医療のレベルよりも高いキューバで手術を受けるために、わざわざ来るそうです。 それが外貨獲得の一つの手段にもなっているそうです。 さらに医療関係者を養成し、海外での医療レベルの向上に協力もしています。

医療レベルが高いために寿命が伸び、居住環境の狭さや離婚率の高さから少子化が進行しています。 正直、あまり先進国というイメージが薄かったキューバでも、少子高齢化という日本と同じ課題を抱えています。

社会主義のため、貧富の差がないはずなのですが、やはりそこには格差があるようです。 お腹がすいて盗みを働く子供もいれば、外国人と関わる仕事ではチップで潤ったりもします。

お話を聞いて、遠い国の一つでしかなかったキューバに、日本にも通じるところが多くあることを知りました。 実際に自分が行くことで、それはより確かな確信になると思います。 旅行するということは他人の領地にずかずか上がり込む行為で、それをしてしまったからには入り込んだ人間にはその国に対する責任が生まれると思うのです。 ぜひぜひ、行った国を近くに感じて、これからも関わっていきたいと思います。