カラスが頭の良い鳥であることは広く知られていますが,しかし今回のテーマであるニューカレドニアガラスはなんと道具を使うそうです.しかも,それは野生の状態でも観察され,当然ですがそんなカラスはカレドニアガラスだけだとか. しかも,不思議なことにカレドニアガラスが特別に頭が良いからかというと,そういうわけでもないようです. 果たして,知性の正体とは何でしょうか? 慶應義塾大学博士課程に所属されている松井さんと,その手がかりを探ってみましょう.
以下,発表者の松井さんによる告知文です.
道具使用は、かつては人間やその他の大型霊長類にのみ備わっている知的行動であると考えられてきました。しかし現在では、私たち人間とは遠い昔に先祖を分かつた「鳥」にも道具を用いる者がいることが判明しています。ニューカレドニア島に生息するカレドニアガラスは、棒状の道具を用いて朽木に潜む昆虫を「釣る」行動を見せることが知られています。 ただし、世界中に生息しているカラスの中でも、野生下で道具により を取得するのはカレドニアガラスのみです。カレドニアガラスは他のカラスと比較して「賢い」から道具使用が可能なのでしょうか?実は、話はそう単純ではありません。本会では、カレドニアガラスの生態、体のかたち、脳体積、他のカラス種との行動比較など、様々な側面からカレドニアガラスの特徴を紹介します。それらを通じて、道具を用いるという行動が、どのような条件のもと動物に備わるのかを考えたいと思います。
【一分間スピーチのテーマ】 自分にとって最も愛着があり、手足のように用いることができる「道具」を教えてください。
【発表者プロフィール】 松井 大 (まつい ひろし) 慶應義塾大学社会学研究科博士課程/日本学術振興会特別研究員 (DC1) 哲学をやりたくて大学に進学したはずなのに気づいたらカラスの研究をしていた。でも小学生の頃は恐竜博士になりたかったので、ある意味原点回帰しているような気もする。 Twitter: @HeathRossie
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