『蟻というと、真っ先に思いつくのは昨年大きく話題になった「ヒアリ」ではないかと思います。ヒアリは健康被害だけでなく、環境・経済への影響が非常に大きくなる可能性が海外の事例から予測されており、(マスコミは健康被害をやや過剰に報じているものの)現在もオールジャパン体制で対策が進められています。
一方、日本であまり知られていない国際的な外来蟻して、「オオハリアリ」というアリがいます。このアリは実は日本に広く生息しており、おそらく皆さんも(意識すること無く)目撃したことがあるはずです。では、なぜそのような重要な外来種が日本であまり話題に上らないかと言うと、この種は日本では「在来種」だからです。オオハリアリが話題に上がっているのはもっぱらアメリカやオーストラリアで、日本から来た外来アリとして知られています。
私は、この日本発の外来アリ、オオハリアリについて、大学院時代に基礎的な生態とともに「なぜオオハリアリは外来種になり得たのか」といった命題のもと研究を進めてきました。今回は、アリという生き物についての基礎的な情報から、オオハリアリの特殊な生態、外来種研究におけるオオハリアリの重要性などについて解説いたします。
【 1分間スピーチ】
「お金にならない研究に、税金を投じる必要性はあると思いますか?」
【プロフィール】
末廣 亘 (スエヒロ ワタル) 1988年兵庫県生まれ。岡山大学農学部、京都大学大学院で社会性昆虫の生態研究を行う。現在は、環境省ヒアリ相談ダイアルのアドバイザーや個人投資家などを主とするも特定の所属はなく、フリーランスとして広範囲に手を伸ばし活動。専門は行動生態学。
【文献】
– Suehiro W, Hyodo F, Tanaka HO, Himuro C, Yokoi T, Dobata S, Guénard B, Dunn RR, Vargo EL, Tsuji K, Matsuura K (2017) Radiocarbon analysis reveals expanded diet breadth
associates with the invasion of a predatory ant. Scientific Reports. 7: 15016.
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