三文会

東大周辺で毎週土曜朝に行っている勉強会です。毎週違う人の話を聞きながら、参加者と発表者が相互に議論をしあいます。テーマ、参加者ともに多様性が特徴です。※2020年3月から、オンラインで開催しています。

12/11【話題再提供: 本当は厳しい「公的領域」――アレントの『人間の条件』を読む】(オンライン開催)

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三文会事務局OBの熱川(にえかわ)と申します。

今回の三文会では、ドイツ出身の政治哲学者ハンナ・アレントが1958年に発表した哲学書『人間の条件』を紹介します。

アレントは本書で、人間の活動力を「労働」「仕事」「活動」の三つに分類して従来の思想を整理し、近代には、政治の「活動」の場である「公的領域」が「労働」の場である「社会」によって置き換えられ、失われたと考察しました。政治に関する海外のレビューでは、基礎の文献としてよく引用されます。

本書で「公的領域」は、私たちが考えるよりもずっと厳しい場のように読めます。「公的領域」は、自分が誰かを公示しながら、予想ができず、取り返しのつかない「始まり」を、死をも恐れずに打ち立てる場だとアレントはいいます。

民主主義に関する議論が盛り上がる昨今、政治学の文脈では注目されない最終章の科学批判にも目を配りながら、本書の内容を追いたいと思います。

【1分間スピーチのテーマ】

民主主義ってなんだ?

【発表者紹介】

熱川豊紘(にえかわ・とよひろ)

1986年和歌山県生まれ。東京大学文学部を経て、2012年に同大学大学院学際情報学府修士課程を修了。専門は科学・技術政策。在学中、財団法人東京大学新聞社(現、公益財団法人)に勤務。三文会事務局に出向。現在、情報通信企業に勤務。

●文献

  • Arendt, Hannah, 1958, /The Human Condition/, Chicago: The University of Chicago Press.(=1994, 志水速雄訳『人間の条件』筑摩書房.)
  • ――――, 1960, /Vita activa oder vom tätigen Leben/, Stuttgart: Kohlhammer.(=2015, 森一郎訳『活動的生』みすず書房.)*
  • ――――, 1963, /On Revolution/, New York: Penguin Books.(=1995, 志水速雄訳『革命について』筑摩書房.)
  • アレントは1958年の英語版の後、1960年に、一部を改訂したドイツ語版を発表した。2015年には、東北大学教授の森一郎氏がドイツ語版からの新訳を発表し、2015年度第52回日本翻訳文化賞を受けた。
【スケジュール】

8:00~8:30 参加者の自己紹介+発表者のお題に沿ったコメント(1分間スピーチ)
(三文会では会のはじめに、参加者のみなさんにひとり1分程度お話しいただきます)
8:30~9:40 発表
9:40~10:00 参加者と発表者の感想
※8:00開始は固定ですが、その他の時間は変動する場合があります

【参加費】

無料

【参加方法】
  • 事前登録は不要です。

  • Zoomで開催します。(※事前のダウンロードが必要です。)

  • 時間になったら下記のURLをクリックし、入室してください。マイク付きイヤホンを使うとより快適です。

    会議URL: https://us02web.zoom.us/j/89654422676?pwd=dHc0ZXpMYzRudUNtTnA3ZVdKV1N1UT09
    ミーティングID: 896 5442 2676 パスコード: 561812

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興味のある方はsanmonkai.utあっとgmail.comまでご連絡ください