三文会

東大周辺で毎週土曜朝に行っている勉強会です。毎週違う人の話を聞きながら、参加者と発表者が相互に議論をしあいます。テーマ、参加者ともに多様性が特徴です。※2020年3月から、オンラインで開催しています。

11/12【ついに、ソシュール『一般言語学講義』を読んだ】

このたびついに、スイスの言語学者フェルディナン・ド・ソシュールによる『一般言語学講義』を読みました。

有名な文献なので「知ってるよ」という方が多いかもしれませんが、個人的にいろいろと面白かったので紹介させてください。

個人的に面白かった点:

  • 構造主義の出発とされる割に、著者は「構造」を後の構造主義と異なる意味で用いる(249ページ)。「記号」の恣意性が、社会の他の制度と異なる「言語体系」の特徴だと限定する(113)。
  • 一方で、著者の限定を突破し人類学に本書を応用した故C・レヴィストロース氏を思わせる、親族関係に関する記述(311)もある。
  • レヴィストロース氏と、実存主義に立つJ-P・サルトルと論争の遠因と読める箇所もある(104, 107)。
  • 人類学者らが「言語体系」の「共時態」のようなものを「構造」と呼んで目指したと考えれば「ビジネスエスノグラフィー」にも含意がありそう。

[文献]
Saussure, Ferdinand de, Charles Bally and Albert Sechehaye, 1916, Cours de linguistique générale.(町田健訳, 2016,『新訳 ソシュール一般言語学講義』研究社.)

【一分間スピーチのテーマ】

ソシュールについて知っていること

【発表者】

熱川豊紘(にえかわ・とよひろ)

1986年和歌山県生まれ。東京大学文学部を経て、2012年に同大学大学院学際情報学府修士課程を修了。専門は科学・技術政策。在学中、財団法人東京大学新聞社(現、公益財団法人)に勤務。三文会事務局に出向。現在、情報通信企業に勤務。言語学は専門ではありません。

【スケジュール】

  • 8:00~8:30、参加者の自己紹介+発表者のお題に沿ったコメント(一分間スピーチ)
    • 三文会では会のはじめに、参加者のみなさんにひとり1分程度お話しいただきます。
  • 8:30~9:40、発表
  • 9:40~10:00、参加者と発表者の感想

8:00開始は固定ですが、その他の時間は変動する場合があります。

【参加費】

無料

【参加方法】

  • 事前登録は不要です。
  • Zoomで開催します。(※事前のダウンロードが必要です。)
  • 時間になったら下記のURLをクリックし、入室してください。マイク付きイヤホンを使うとより快適です。

三文会では発表者・参加者・運営を募集しています。

興味のある方はsanmonkai.utあっとgmail.comまでご連絡ください。