このたびついに、スイスの言語学者フェルディナン・ド・ソシュールによる『一般言語学講義』を読みました。
有名な文献なので「知ってるよ」という方が多いかもしれませんが、個人的にいろいろと面白かったので紹介させてください。
個人的に面白かった点:
- 構造主義の出発とされる割に、著者は「構造」を後の構造主義と異なる意味で用いる(249ページ)。「記号」の恣意性が、社会の他の制度と異なる「言語体系」の特徴だと限定する(113)。
- 一方で、著者の限定を突破し人類学に本書を応用した故C・レヴィストロース氏を思わせる、親族関係に関する記述(311)もある。
- レヴィストロース氏と、実存主義に立つJ-P・サルトルと論争の遠因と読める箇所もある(104, 107)。
- 人類学者らが「言語体系」の「共時態」のようなものを「構造」と呼んで目指したと考えれば「ビジネスエスノグラフィー」にも含意がありそう。
[文献]
Saussure, Ferdinand de, Charles Bally and Albert Sechehaye, 1916, Cours de linguistique générale.(町田健訳, 2016,『新訳 ソシュール一般言語学講義』研究社.)
【一分間スピーチのテーマ】
ソシュールについて知っていること
【発表者】
熱川豊紘(にえかわ・とよひろ)
1986年和歌山県生まれ。東京大学文学部を経て、2012年に同大学大学院学際情報学府修士課程を修了。専門は科学・技術政策。在学中、財団法人東京大学新聞社(現、公益財団法人)に勤務。三文会事務局に出向。現在、情報通信企業に勤務。言語学は専門ではありません。
【スケジュール】
- 8:00~8:30、参加者の自己紹介+発表者のお題に沿ったコメント(一分間スピーチ)
- 三文会では会のはじめに、参加者のみなさんにひとり1分程度お話しいただきます。
- 8:30~9:40、発表
- 9:40~10:00、参加者と発表者の感想
8:00開始は固定ですが、その他の時間は変動する場合があります。
【参加費】
無料
【参加方法】
- 事前登録は不要です。
- Zoomで開催します。(※事前のダウンロードが必要です。)
- 時間になったら下記のURLをクリックし、入室してください。マイク付きイヤホンを使うとより快適です。
- 会議URL:
https://us02web.zoom.us/j/89654422676?pwd=dHc0ZXpMYzRudUNtTnA3ZVdKV1N1UT09
- ミーティングID: 896 5442 2676
- パスコード: 561812
- 会議URL:
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