三文会

東大周辺で毎週土曜朝に行っている勉強会です。毎週違う人の話を聞きながら、参加者と発表者が相互に議論をしあいます。テーマ、参加者ともに多様性が特徴です。※2020年3月から、オンラインで開催しています。

12/26【歴史に残る植物の病気】

次回の三文会では、植物の病気について、現役の植物研究者の方が発表します。

ー以下発表者の方の告知文ですー

「コロナ」という単語を耳にしない日はない日常を皆さんはどうお過ごしですか? 100年前のスペイン風邪が世界史の教科書に記載されているように 新型コロナウイルス感染症COVID-19も未来の世界史の教科書に記載されることでしょう。 ところで植物も感染症にかかります。その中には甚大な被害を引き起こし、文明崩壊の引き金になったと言われている症例もあります。 今回はそんな病害を紹介します。

【一分間スピーチのテーマ】 植物も病気になることを知っていますか?見たことがありますか?

【発表者】 本間洋平(ほんまようへい平成27年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。 専門は植物生理学、植物病理学、植物細胞工学、園芸学。 博士課程修了後は公益財団法人の研究機関で野菜の品種改良の研究職に就いています。

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12/19【2021年の手帳を使い始めるときに ―隠れた名著?『能率手帳の流儀』を読む】(オンライン開催)

次回は手帳について。「手帳で人生を変える」という本も多い中、「人生を計画することなどできない」と説いた本について発表します。

ー以下発表者の告知文ですー

私は2008年から、日本能率協会マネジメントセンターの1月始まりの手帳を、2021年分を含めて14年間、愛用しています。 きっかけとなったのが、同社代表取締役会長だった野口晴巳氏による『能率手帳の流儀』(2007)でした。 平易な手帳の使い方を、 「能率手帳に限らず、どこの手帳だっていいのです」 「人生を計画することなどできない」 と、手帳を販売している会社の経営者とは思えない調子で説く内容でした。 日頃、自己啓発本をほとんど読まない私でも、手帳で「夢をかなえる」「人生が変わる」と主張する書籍とは一線を画する語り口に思わず納得してしまいました。 失礼ながら当時、書店で立ち読みしたまま購入しないでいましたが、最近ふと思い立って探したところ、運よく良心価格(それでも定価の約1.5倍)の古書が入手できました。 現在、通信販売大手アマゾンジャパンの中古品を見ると、定価1400円のところ、古書の価格が最低でも5000円を超えるまで高騰しており、隠れた名著といえるかもしれません。 せっかくなので、今回の三文会では、この『能率手帳の流儀』の内容を紹介します。 電子機器で予定や日記を管理されている方を含め、2021年の手帳を使い始めるときの一助になれば幸いです。 (お詫び)先週12月12日土曜日の三文会で、斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』(2020/ 集英社)を紹介すると申しましたが、業務の都合で延期とさせていただきます。同書についても、2021年の早い段階で話題提供とさせていただきたく存じます。

●キーワード:手帳、NOLTY、能率手帳

●文献: 野口晴巳, 2007,『能率手帳の流儀――みずからの成長と人生の豊かさを求めて』日本能率協会マネジメントセンター.

【一分間スピーチのテーマ】 手帳を使っていますか? 使っているとしたら、どのように使っていますか?

【発表者】 熱川豊紘(にえかわ・とよひろ) 1986年和歌山県生まれ。東京大学文学部を経て、2012年に同大学大学院学際情報学府修士課程を修了。専門は科学・技術政策論。在学中、財団法人東京大学新聞社(現、公益財団法人)に勤務。朝食勉強会、三文会事務局に出向。現在、情報通信企業でマーケティングを担当。

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12/12【改造車という文化】オンライン開催

次回は改造車について。ちょっと怖い印象ですが、運転好きではない発表者から文化的な側面について伺います。

ー以下発表者の告知文ですー

「改造車」と聞いて何を思い浮かべますか? 派手な形のうるさい車?暴走族?走り屋?あるいは映画「ワイルドスピード」シリーズを挙げる方もいるでしょうか。 クルマ趣味として、たとえば洗車してドライブしたりクラシックカーを愛でたりすることはまだ理解できても、改造するとなると眉をひそめる方が多いかもしれません。 しかし、市販車そのままでは満足できず、改造によるチューンアップ(走行性能向上)やドレスアップ(外観の変更)に情熱を注ぐ人達が世界中に存在します。 日本においては、改造車が事実上全て違法だった1970年代から独自の発展を遂げ、この数十年で海外からも注目されるようになりました。昨今では国内外の自動車メーカーの商品企画にまで影響を与えています。 改造車は反社会性や違法性と切り離せないのも事実ですが、改造車のジャンルや独特の嗜好とその変遷を通じて、そこに文化と呼べるものが存在していることを紹介したいと思います。

【1分間スピーチのテーマ】 「改造」という言葉から受ける印象。(クルマでもそれ以外でも)

【発表者紹介】 企業の研究所で機械系の研究開発に従事する研究者。 クルマの持つ文化的な側面が好き。運転は怖いのであまり好きではない。

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12/5【「人工細胞」研究の最前線】オンライン開催

今週は「人工細胞」について。 まさに物理と化学と生物との融合したような領域です。幅広く興味のある方、ぜひお越しください!

ーー以下発表者の告知文ですーー

■生物学のテキストは細胞から始まります。それ以前のことはほとんど書かれていません。細胞は「生きて」いますが、それを作るものは「分子」という「物質」です。それでは、「生命」というのは、細胞の前駆体のどの段階で発生するのでしょう?その起源研究はオパーリンのコアセルベート説(1924年)、ミラーの放電実験(1953年)などの先駆的な(『夢』のような)問題提起がありましたが、20世紀中は現実の細胞までつながっていませんでした。 しかし最近はそこをつなげる努力が有機化学に物理学の手法を取り込んだ有機反応動力学で展開されています。その最前線を紹介します。

まず、生体を作るに必要な素材分子を油滴にどんどん溶かして増やします。これでは単に材料集団です。そこで、ここへ膜を作る膜形成前駆体を打ち込みます。それによって細長い分子で頭に親水基、尾に疎水基を持つ両親媒性分子[1]を二重に並べて境界とした球に近い袋状の構造が出来ます。生体分子を内部に持ち「自己」と外部と識別するうつわ(ベシクル)です。今度はそこへ、自己増殖を促す触媒を注入して分裂させます。それが、2世代目だけでなく3世代まで成功しています。分裂挙動は動力学でもあります[2]。このようにして以降継続的に起こさせる道が開けました。これにより最前線の研究では、細胞の基本機能である「自己」と他の識別、分裂による継続的自己増殖、代謝系の確立がそろった「進化する」うつわ系としての「人工細胞」へと進展しつつあります[3]。細胞の前駆体としての「生命試作号」創刊前の「予告版」というあたりでしょうか?

●文献 [1]夏目雄平『やさしい化学物理~化学と物理の境界をめぐる』《朝倉書店》。 [2]夏目雄平『やさしく物理~力・熱・電気・光・波』《朝倉書店》。 [3]松尾宗征、栗原顕輔 “生命起源と人工細胞” 、現代化学2020年増刊号46、白石賢太郎編『相分離生物学の全貌』《東京化学同人》。

●キーワード オパーリン、コアセルベート、油滴、液液相分離、両親媒性分子、リポソーム、ベシクル、細胞分裂代謝、進化

【1分間スピーチのテーマ】 世界を「生命を持つもの」と「生命を持たないもの」に分けるとしたら境目はどこだと考えますか?

【発表者紹介】 夏目雄平(なつめ・ゆうへい) 1946年長野県生まれ。東京大学理学部物理学科卒、同理学系大学院で理学博士の学位を得る。イギリスで研究活動の後、千葉大学理学部へ助手(助教)として就職。1990年教授となり、定年の2012年まで勤務。その後は、科目の境界を越えて、科学を一般に広める活動、科学の本の執筆に従事している。 専門書(文献の1,2および『計算物理』シリーズ《朝倉書店》なと)、一般科学書(11月刊行本に『身近な科学が人に教えられるほどよくわかる本』左巻健男編《ソフトバンククリエイティブ》、12月刊行本に『はじまりから知ると面白い物理学』左巻健男編《山と渓谷社》がある)の他、文系の本として(鉄道、徒歩の)旅の本(『小さい駅の小さな旅案内』《洋泉社新書》など)も出版している。ふるさとNAGANO応援団メンバー。活動、夏季は男子もスカートをはこう。

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11/28【齧歯を飼おう】(オンライン開催)

今回は動物のお話です。 ねずみっぽい動物を併せて15匹ほど飼っている方から、ハムスターやモルモットなどのげっ歯類を飼っている様子をカメラを通して見ることができます。 動物好きな方、癒やされたい方はぜひご参加ください!

ーー以下発表者の告知文ですーー

みなさんは、齧歯(げっし)という言葉を聞いて、何のことかピンときますか?ピンとくる方は話が合いそうです。 4年前、ずっと猫が飼いたかった妻がお手軽な(?)イメージからか急にハムスターを飼い始めたところ見事にハマり、気づけば部屋の中に水槽が増え、インスタやTwitterで関連アカをチェックするようになり、モルモット、デグーチンチラ、ステップレミング・・・と他の齧歯にも手を広げ、一緒に関連イベントに参加したり、開催したりするようにもなり、すっかりねずみが好きになりました。 ねずみ年の今年はさぞ界隈が盛り上がるだろう・・・と思っていた矢先のコロナ禍で、期待していたイベントがほぼない状況ですが、オンライン開催の現状を活かして、我が家の様子を映しながら、飼ってみて気づいた魅力などについて伝えたいと思います。

【1分間スピーチのテーマ】 飼ったことのあるペットまたは飼ってみたいペット

【発表者紹介】 茨城県出身。大学院卒業後、プラントエンジニアリング会社に就職。LNG・食品工場自動化等のプロジェクトを担当し、昨年末転職。現在は物流機械設備の改善を行っている。 2016年9月より妻がハムスターを飼い始め、現在はハムスター10匹、モルモット2匹、デグー1匹、チンチラ1匹、ヤマネ1匹と猫1匹と暮らしている。

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11/21【定年まで勤めるつもりの会社が無くなったら】

次回の三文会はちょっと珍しいテーマです.

定年まで勤めるつもりだった会社が突如倒産…少し頭が痛くなりそうなテーマですが個人的にはすごく発表を聞くのが楽しみなテーマです.

特に最近の大学生は日本の大企業への志向が弱まり,ベンチャーの人気が徐々に出てきたり,とか,転職を前提に就活を行っているなどの話を聞くこともあります. このような状況では,倒産を経験して転職を行う人も増えてくるのかも…

普段はなかなか聞くことができない話ですので,興味のある方はぜひ参加してみてください!

ーー以下発表者の告知文ですーー

あなたはこれまでの人生で就職をした事はありますか?また、どんな仕事で生計を立てていきたいでしょうか? 誰しも、リクルートのセレクションを経て、内定を貰い就職した時は希望を抱いて入社した事と思います。 発表者は半導体ICの設計会社に設計エンジニア志望で就職し、8年が経過したところで突然その会社が無くなってしまいました。 その時の現場の状況と当事者としての心情を伝えるとともに、これから就職を控える方や転職をお考えの方に役に立つ内容を共有したいと思います。

【1分間スピーチのテーマ】 ご自身が向いていると思っている職業とその職業で何をしている時が一番楽しいと思いますか?

【発表者紹介】 大学を卒業後、エンジニアの派遣会社に就職。5年間の数社の派遣先でIC設計開発補助として従事した後、もう一度勉強がしたくなったので派遣会社を辞め、大学院に入学。 大学院卒業の際に、新卒の枠で半導体設計会社に正社員として新卒採用。入社後、8年を経過した時にその会社の倒産を経験。 現在は某外資系電子部品メーカーで技術営業マネージャーとして業務に従事。

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11/14【麻雀最前線】

麻雀のプロスポーツ化を目的としたМリーグの登場、ゲーム実況Vtuberの麻雀配信などにより新しい形の麻雀ブームが沸き起こっています。 過去の麻雀ブームを紐解くと、そこには当時の流行メディアと強いコンテンツの存在がありました。 現代に連なる麻雀文化をメディア論を交えて考察しつつ、麻雀AIやゲーム性の変化、戦略や戦術など、麻雀にかかわる様々な最新トピックをそこそこ業界に詳しい麻雀愛好者の立場からお話します。

【1分間スピーチのテーマ】 ・麻雀をする方 →麻雀を始めたきっかけはなんですか? ・麻雀をしない方 →麻雀に対しどのようなイメージを持っていますか?

【発表者紹介】 くらら @Akura66 書籍の編集者。好きな麻雀本は須田プロの『東大を出たけれど』。

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