三文会

東大周辺で毎週土曜朝に行っている勉強会です。毎週違う人の話を聞きながら、参加者と発表者が相互に議論をしあいます。テーマ、参加者ともに多様性が特徴です。※2020年3月から、オンラインで開催しています。

2/25【育児休業をしてみた】

2022年11月に第一子として長女が生誕しました。

文字通り妻の中から出てきた娘がおぎゃあと世界に発した一声を聞いて、急に父親になったことへの戸惑いと共に、一生懸命生きようとする娘の姿に感涙を禁じ得ませんでした。

妻の出産後すぐに育児休業に入りました。

産後パパ育休制度を利用した1か月という短い期間でしたが、一日中、妻と娘と過ごす毎日は至福の時でした。

育児休業の前後の状況と、現在の子育てライフについて、思ったこと、感じたことをお話しします。

【一分間スピーチのテーマ】

なにかを「育てる」経験はありますか?
※「なにか」は生物でも、無生物でも結構です。「消ゴムのカスを丸めて練り消しゴムに育てたことがある」とかでも可。

三文会では会のはじめに参加者の皆さんに、その会の話題についてひとり1分程度で自己紹介を交えてお話しいただきます。

続きを読む

2/18【熱・統計力学にもとづく人工細胞モデル研究と実験教材への展開~生命の理解へのアプローチ~】

細胞は分裂することで情報を子細胞、孫細胞に伝えていきます。細胞は分裂すべき時期になると膜に輪切りにする機能を持ったタンパク質が現れて、弾力のある膜をきれいに切ります。しかし、生命は初めからそんな高機能素材を持っていたとは思えません。実際、原始的細胞はこの機能を持っていないため、もがいて苦しみながら不規則な運動を繰り返して、なんとか分裂しています。そのあたりの原始的細胞分裂は分子の反応性ではなく、膜の弾性と熱・統計的な作用で起こっているはずです。つまり、分子生物学、分子化学というより分子物理と考えるべきです。そこを探究したのが本講演のテーマです。

さて、生命はどのように誕生したのでしょう。それは大変難しいテーマです。そもそも生命の定義もはっきりしません。でも、どこかに自分と外界を区別する「膜」は必須と思われます。実際、地球上の生命の最小単位は膜に囲まれた「細胞」です。高校理科生物の教科書が「植物細胞」「動物細胞」から始まるのもうなずけます。

2009年にノーベル生理学・医学賞を受賞したJ.W.ショスタックは、細胞を構成する必須の要素として、「①境界(細胞膜)」「②情報(遺伝子)を伝えるための分裂増殖」「③触媒(酵素)による代謝」の三つの条件をあげ、特に自己を他と区別する膜の重要性を第一にあげています。

これを考えますと、生命起源の研究が膜に包まれた「人工細胞」で進められてきたのも納得出来ます。しかし、研究の場においては「②情報(遺伝子)」「③触媒(酵素)」への道を進むため、既に特化された制御性能を持った生命物質(DNA、タンパク質など)の「既製品」を持ち込んで精緻な実験がなされる傾向があります。

それに対して、私は、ポリスチレンビーズなど化学反応性を持たない内包物を使って熱・統計力学的なモデルに基いて、個々の生体高分子の機能性に依存せず、②にあたる人工細胞の分裂を起させる研究をしてきました。境界膜の弾性変形とその中に混み合って入っている内包物の物理的関係の解析をすすめました。このような普遍性をもとめる研究は現実の細胞から離れるおそれがありますが、ここで得られた分裂挙動自体が、上で述べた原始的な細胞の分裂に極めて似ていることがわかりました[1]。つまり、本実験は、細胞が改良されてきた道筋(生命が未熟な段階から進展する過程)をたどっているとも思えてきました。この方法は物理であるために③への飛躍も期待できます。

このような物理的モデルを用いた構成生物学的アプローチの研究は、初学者が学ぶ基本的な物理学と研究が密接に結びついています。自然科学の原理ともいえる「現象が多様であることを踏まえつつ,それらに共通する基本的な概念や原理・法則を理解する」態度を養成するものであり、理科教育の場に極めて適した題材とも言えます。この観点からの中等教育の場への応用の試みも紹介します[2]。

[1]総説として;Natsume Y, Membranes. Vol.12 (2022) No.6, 608. https://www.mdpi.com/2077-0375/12/6/608 

[2]夏目ゆうの;日本物理学会2023年3月領域12-23aM1-12チュートリアル講演。領域13-12aN1-5。

【一分間スピーチのテーマ】

次の二つの質問のどちらかに答えて下さい。両方に答えてもけっこうです。

  • 生命はどのように定義することができるでしょうか。
  • 物理学を用いて生物にアプローチするように、何と物理学を組み合わせて学びたいですか。

※三文会では会のはじめに、参加者の皆さんに、その会の話題について、ひとり1分程度で自己紹介を交えてお話しいただきます。

【発表者】

夏目ゆうの

宇都宮大学共同教育学部助教

【開催場所】

Zoomで開催します。

【スケジュール】

  • 8:00~8:30、参加者の自己紹介+発表者のお題に沿ったコメント(一分間スピーチ)
  • 8:30~9:40、発表
  • 9:40~10:00、参加者と発表者の感想

8:00開始は固定ですが、その他の時間は変動する場合があります。

【参加費】

無料

【参加方法】

  • 事前登録は不要です。
  • Zoomで開催します。(※事前のダウンロードが必要です。)
  • 時間になったら下記のURLをクリックし、入室してください。マイク付きイヤホンを使うとより快適です。

三文会では発表者・参加者・運営を募集しています。

興味のある方はsanmonkai.utあっとgmail.comまでご連絡ください。

2/11【図書はどう整理したらよいですか?】

先週から打って変わってアナログな話題ですみません。

5年ぶりに図書の整理を始めました。

しかし、三文会でたびたび読書を推奨してきたためか、いつの間にか図書が約1000冊に増えてしまって、どう考えても書棚に入りません。

まず、発表者のひどい状況を説明しますので、

  • 大容量の書棚を買う
  • 古書として売る
  • 図書館に寄贈する
  • 「これはときめくものか?」と自分に問いかける
  • 書庫を建てる

などご助言をお願いします。

マジの相談です(笑)。

(事務局から:発表中に紹介されたリンクです)

【一分間スピーチ】

図書の整理で実践している工夫はありますか?

(あると答えた方には個別に紹介のお時間をお取りします)

続きを読む

2/4【生成系AIによるプレゼンテーションの作り方:ChatGPTとStable Diffusionを活用する】

ChatGPTの指示をもとにStable Diffusion に作ってもらったアイキャッチ画像

2022年は生成系AIが話題になりました。

そこで、ChatGPTとStable Diffusionだけを使ってプレゼンテーションを作り、発表してみたいと思います。

手順としてはChatGPTにプレゼン作りを指示し、骨子や内容を作ります。次にStable Diffusionで画像を生成してパワポを整えます(Stable Diffusionに入れる呪文もChatGPTに唱えてもらいます)。

ちなみに、ChatGPTに告知文を書いてもらったところ、
-------
「ChatGPTとStable Diffusionを使って、先進的なプレゼンテーションを作る方法」についてのプレゼンテーションを開催いたします。これらの高度な技術があなたのプレゼンテーションをどのように強化するか学びに参加ください。
-------
だそうです。

どんなプレゼンになるのか、お楽しみに!

※このタイトルも告知文の内容から ChatGPTに考えてもらいました(運営より)

【一分間スピーチ】

このプレゼンはどんなプレゼンになると思いますか

【発表者プロフィール】

広川英司
プレゼン資料作りはめんどくさくて嫌い。
ChatGPTに「パワポを作れ」と指示したところ「パワポは作れねぇが文章を作れるからそれを参考にしておまえが作れ」と指示を返され、主従逆転に憤怒している

続きを読む

1/28【『三教指帰』を再読する】

先週の三文会で、日本仏教史について話すか、という話になりました。

まずは空海(くうかい)による『三教指帰(さんごうしいき)』を紹介してみようと思います。

布教(本来の意味)は目的としていません。

いち「空海ファン」の話として聞いてください。

[文献]

【一分間スピーチのテーマ】

高野山に登ったことはありますか?

三文会では会のはじめに、参加者の皆さんに、その会の話題について、ひとり1分程度で自己紹介を交えてお話しいただきます。

【発表者】

熱川豊紘(にえかわ・とよひろ)

1986年和歌山県生まれ。東京大学文学部を経て、2012年に同大学大学院学際情報学府修士課程を修了。専門は科学・技術政策。在学中、財団法人東京大学新聞社(現、公益財団法人)に勤務。三文会事務局に出向。現在、電気通信企業に勤務。

【開催場所】

Zoomで開催します。

【スケジュール】

  • 8:00~8:30、参加者の自己紹介+発表者のお題に沿ったコメント(一分間スピーチ)
  • 8:30~9:40、発表
  • 9:40~10:00、参加者と発表者の感想

8:00開始は固定ですが、その他の時間は変動する場合があります。

【参加費】

無料

【参加方法】

  • 事前登録は不要です。
  • Zoomで開催します。(※事前のダウンロードが必要です。)
  • 時間になったら下記のURLをクリックし、入室してください。マイク付きイヤホンを使うとより快適です。

三文会では発表者・参加者・運営を募集しています。

興味のある方はsanmonkai.utあっとgmail.comまでご連絡ください。

1/21【文具について聞きたい】

三文会で、文具に関する情報を伺うことがあります。

このあたりで、事務局員の文具に関するこだわりを呼び水に、皆さんの話をまとめて伺いたいと思います。

これまでにいただいた文具に関する情報の例

  • 私は「ヤチョラー」(コクヨなどの「野帳」の利用者)だ
  • 鉛筆かつ手回し鉛筆削りで削る
  • Notionにハマった(文具?)

【一分間スピーチのテーマ】

語りたい文具はありますか?

(「ある」と答えた方には別に語るお時間を設けます)

三文会では会のはじめに、参加者の皆さんに、その会の話題について、ひとり1分程度で自己紹介を交えてお話しいただきます。

【発表者】

熱川豊紘(にえかわ・とよひろ)

1986年和歌山県生まれ。東京大学文学部を経て、2012年に同大学大学院学際情報学府修士課程を修了。専門は科学・技術政策。在学中、財団法人東京大学新聞社(現、公益財団法人)に勤務。三文会事務局に出向。現在、電気通信企業に勤務。

【開催場所】

Zoomで開催します。

【スケジュール】

  • 8:00~8:30、参加者の自己紹介+発表者のお題に沿ったコメント(一分間スピーチ)
  • 8:30~9:40、発表
  • 9:40~10:00、参加者と発表者の感想

8:00開始は固定ですが、その他の時間は変動する場合があります。

【参加費】

無料

【参加方法】

事前登録は不要です。

Zoomで開催します。(※事前のダウンロードが必要です。)

時間になったら下記のURLをクリックし、入室してください。マイク付きイヤホンを使うとより快適です。

三文会では発表者・参加者・運営を募集しています。

興味のある方はsanmonkai.utあっとgmail.comまでご連絡ください。

1/14【休め】

14

休め

hbr.org

【一分間スピーチのテーマ】

あなたはどんなタイミングで休憩しますか?そのとき何をしてますか?

【発表者】

やまやま

会社都合で退職して失業手当をもらうことを夢見る中年男性。ついついたくさん働いちゃうのでただ休むのではなくよりよく休むことをかんがえている

【スケジュール】

  • 8:00~8:30、参加者の自己紹介+発表者のお題に沿ったコメント(一分間スピーチ)
    • 三文会では会のはじめに、参加者のみなさんにひとり1分程度お話しいただきます。
  • 8:30~9:40、発表
  • 9:40~10:00、参加者と発表者の感想

8:00開始は固定ですが、その他の時間は変動する場合があります。

【参加費】

無料

【参加方法】

  • 事前登録は不要です。

  • Zoomで開催します。(※事前のダウンロードが必要です。)

  • 時間になったら下記のURLをクリックし、入室してください。マイク付きイヤホンを使うとより快適です。

三文会では発表者・参加者・運営を募集しています。

興味のある方はsanmonkai.utあっとgmail.comまでご連絡ください。