組織論が専門のリンダ・グラットン氏と、マクロ経済学が専門のアンドリュー・スコット氏(共にロンドン・ビジネススクール教授)とが2016年に発表した書籍『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』が話題になり続けています。2017年の時点で発行部数は20万を突破。同年に日本国の内閣は、本書に基づいて「人生100年時代構想会議」を設置。2018年に入っても出版元の東洋経済新報社が、自社の雑誌『週刊東洋経済』で本書に関する特集を組んでいます。
著者らは本書で、医療の進歩により人間の人生が100年以上に延び、機械化や人工知能による変化が続く近未来には、教育を受け→仕事をし→引退する3ステージの人生は崩れ、「マルチステージの人生」への対応が必要だと説きます。ウェブで “life shift” を検索すると、本書を基に転職や学び直しを勧めるページがいくつか見つかります。
しかし、本書を通読すると、「マルチステージの人生」の難点もはっきり書かれていることが分かります。また、企業や政府の役割についても紙幅が割かれており、いずれも難題だと思われます。 今回は、本書の全体を章に即して(多分かなり詳しく)要約し、「マルチステージの人生」のリスクも含めて紹介したいと思います。
【一分間スピーチのテーマ】 人生を100年としたときに、あなたはどのように人生を設計しますか? (注)三文会では、自己紹介を兼ねて、発表者が設定したテーマについて参加者の皆さまに1分間のスピーチをお願いしています。
【発表者】 熱川豊紘(にえかわ・とよひろ) 1986年和歌山県生まれ。東京大学文学部を経て、2012年に同大学大学院学際情報学府修士課程を修了。専門は科学・技術政策論。在学中、財団法人東京大学新聞社(現、公益財団法人)に勤務。朝食勉強会、三文会事務局に出向。現在、情報通信企業でマーケティングを担当。
【文献】 - Gratton, Lynda and Andrew Scott, 2016, /The 100-Year Life: Living and Working in an Age of Longevity/, London: Bloomsbury Information.(=2016, 池村千秋訳『LIFE SHIFT』東洋経済新報社.)
【キーワード】
LIFE SHIFT、マルチステージの人生
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