次回の三文会は数理社会学入門です!
社会学というといわゆる文系学部に分類されていることが多いものですが,それに数理的なアプローチで立ち向かおう,という試みです. もちろん数理社会学も間口が広く,ゲーム理論から計量経済学まで,様々ですが,東工大博士課程に所属する小林さんのレクチャーで俯瞰的にそれに迫りましょう.
以下,発表者の小林さんによる告知文です. ---------------------------
世間的には、「理系」は「数」を使って「もの」を理解し、「文系」は「ことば」によって「人間」を理解するのだ…という語られ方が一般的であるような気がします(※1)。人間社会を対象として学問をしようとするにあたっても、やはり「数字で人間を理解する」のは無理だろうという直感をもつ方々はいらっしゃるようです。 しかし、人間社会を「数理的」に捉えようとする、「数理社会学」(※2)とでも言えるような研究は、実のところ、かなり以前から発展してきています。近年になって、電子機器の発達と普及によって、いわゆる「ビッグデータ」が研究できるようになってきたことから、さらに多くの数理社会学的な研究成果が期待できそうです。というか、その分野で研究をしている自分にとっては他人事ではなく、素敵な研究成果を出さねばならないのです。 そういうわけで、発表のお題を「数理社会学」としました。数理社会学は非常に広い分野であるため、自分一人で概観するには少し力不足ではという気もしますが、あえてここでは「数理社会学入門」と題し、複数分野での研究を経験してきた立場から、その歴史と現状、そして今後の可能性を探りたいと思っています。
(※1)厳密にいえば、多くの人が「そう思っている人は多そうだ(自分はそうは思わないけれども)」と思っているのではないかという気がします。 (※2)実は、人間社会を数理的に扱っていても、「社会・経済物理学」や「社会工学」などは普通「数理社会学」に含めない(と思う)のですが、ここでは「数理社会学」という言葉を拡大解釈しています。ご容赦ください。
一分間スピーチのテーマ 何か「気になる」社会的現象はありますか? どんなものでも構いません。 それは「数理的」に研究できそうな気がしますか?
発表者様プロフィール 小林祐一朗 1991年生まれ。 修士課程まで東大で生態学を専攻。人間社会への興味から進路変更し、東工大博士課程で経済物理学を専攻中。 他者との効率的取引ではなく、他者との同化でもなく、他者への怖れと好奇心にこそ「人間社会」の根源を感じます。
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興味のある方はsanmon-