三文会

東大周辺で毎週土曜朝に行っている勉強会です。毎週違う人の話を聞きながら、参加者と発表者が相互に議論をしあいます。テーマ、参加者ともに多様性が特徴です。※2020年3月から、オンラインで開催しています。

7/8【全ての「教養」は「ファスト教養」かもしれない――『ファスト教養』延長戦】

7月1日土曜の三文会「ファスト教養を読んでみた」で、ライターでブロガーのレジー氏による『ファスト教養――10分で答えが欲しい人たち』(2022)の内容を共有しました。

しかし、なんとなくモヤモヤした感じが残りました。

一つには「ファスト教養」と、従来の「教養」との隔たりが大きく、レジー氏が、ご本人が認める通り、両者の関係を明確にしていない点にあると考えられます。

そこで、今回の三文会は、前回の延長戦とします。

具体的には、西洋史学が専門の故・阿部謹也(あべ・きんや)氏(元一橋大学学長、同大学名誉教授)による『「教養」とは何か』(1997)と、ドイツ文学が専門の高田里惠子(たかだ・りえこ)氏(桃山学院大学教授)による『グロテスクな教養』(2005)との一部を基に、従来の「教養」に関する議論を紹介します。

前者はロングセラーで、後者は「教養」に関する議論で比較的、新しいものです。

結論を先取りすると、考えようによっては、全ての「教養」は「ファスト教養」かもしれません。

なお、お分かりのように、本話題は「教養」に関する「ファスト教養」です。

教養論は膨大な量があります。

この会に参加しても「教養とは何かが分かった」とはなりませんので、あらかじめご了承ください。

[文献]

阿部謹也, 1997,『「教養」とは何か』講談社. https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000146819

高田里惠子, 2005, 『グロテスクな教養』筑摩書房. https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480062390/

【一分間スピーチのテーマ】

次のうち、ピンとくる話題はどれですか?

(1) 教養とは何か

(2) これから求められる教養

(3) 教養主義の復権

(4) 教養主義の弊害

(5) いまさら教養などと言ってもだめだ

(6) (1)~(5)のどれもピンとこない。

(高田氏(2005)の「はじめに」から列挙)

【発表者】

熱川豊紘(にえかわ・とよひろ)

1986年和歌山県生まれ。東京大学文学部を経て、2012年に同大学大学院学際情報学府修士課程を修了。専門は科学・技術政策。在学中、財団法人東京大学新聞社(現、公益財団法人)に勤務。三文会事務局に出向。現在、電気通信企業に勤務。

【開催場所】

Zoomで開催します。

【スケジュール】

  • 8:00~8:30、参加者の自己紹介+発表者のお題に沿ったコメント(一分間スピーチ)
  • 8:30~9:40、発表
  • 9:40~10:00、参加者と発表者の感想

8:00開始は固定ですが、その他の時間は変動する場合があります。

【参加費】

無料

【参加方法】

  • 事前登録は不要です。
  • Zoomで開催します。(※事前のダウンロードが必要です。)
  • 時間になったら下記のURLをクリックし、入室してください。マイク付きイヤホンを使うとより快適です。

三文会では発表者・参加者・運営を募集しています。

興味のある方はsanmonkai.utあっとgmail.comまでご連絡ください。