三文会

東大周辺で毎週土曜朝に行っている勉強会です。毎週違う人の話を聞きながら、参加者と発表者が相互に議論をしあいます。テーマ、参加者ともに多様性が特徴です。※2020年3月から、オンラインで開催しています。

5/8【高校生でもわかるCG研究最前線 〜"躍度"とは?躍度最小モデルのCG応用〜】(オンライン開催)

 

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皆さんこんにちは。現在、私は大学院でコンピュータグラフィックス(CG)の研究をしています。

皆さんは躍度という言葉をご存知でしょうか?躍度とは、単位時間あたりの加速度変化率の事で、大きな躍度は、生物に不快感を与えたり、機械に損傷を与えたりします。躍度を考慮することで、高速で快適なエレベータを作ったり、最新の電気自動車において滑らかな自動運転制御を行うなどの応用が可能となりました。

本発表では、この躍度に着目した最新のCGアニメーション研究をご紹介し、参加者と一緒にさらなる応用について考えたいと思っています。最新ゲーム「ファイナルファンタジーVII REMAKE」のアニメーション生成でも使われているんですよ。

本発表では基本的な背景知識の説明から始まり、近年の最新研究、応用例に至るまで、高校生でも視覚的に楽しく理解できるようにご紹介致します。

【1分間スピーチのテーマ】
ハリウッド映画やTV番組でのVFX、ビデオゲームなどのCG映像で印象に残っているものを教えて下さい。

【発表者紹介】
情報理工学系研究科 博士課程
専門分野:コンピュータグラフィックス

【参考文献】
コンピュータグラフィックス[改訂新版]編集委員会、2016、『コンピュータグラフィックス [改訂新版]』
2020年度 東京大学理学部 コンピュータグラフィクス論
http://research.nii.ac.jp/~takayama/teaching/utokyo-iscg-2020/

【キーワード】
コンピュータグラフィックス、躍度最小モデル、最適制御

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5/1【日常化した例外状態 コロナと生権力】(オンライン開催)

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東京にて3度目の緊急事態宣言が発令されました.

今回の緊急事態宣言においては小池百合子都知事が業者に対して消灯をお願いしたり,商業施設,文化施設に対して休業要請を行ったことが非常に印象的でした.

ちょうど去年の今頃も緊急事態宣言が発令されGW中は家にこもっていたことを思い出します.

一年前の緊急事態宣言下においては様々な事象が定量的に扱うことが困難でした.それはウイルスに対する知見が蓄積されていなかったことが大きな要因としてあげられます.そこから一年が経ちました.我々はウイルスに対して多くの知見を得たはずです.しかし,現在のコロナ対応を見ていると,人々は天気の奴隷から気分の奴隷に成り下がってしまったのではないかと感じます.

このようなコロナ禍という特別な状態,例外状態が日常化した今日においては様々なことが当たり前のように行われます.このような状況を見て私はイタリアの哲学者,ジョルジョ・アガンベンの言葉を思い出しました.

彼らが課そうとしている大変容を定義づけるのは,その変容を形式上可能にした道具に当たるものが新たな法典ではなく,例外状態だということである.

例外状態を理由に様々な行動が規制する今日をアガンベン,フーコーなどの議論をもとに考察していこうと思います.

 

●キーワード:生権力,例外状態,制御,情報

【一分間スピーチのテーマ】
どんな状態においても諦めることのできない自由はありますか?

【発表者】
浅野輝(あさのひかる)

東京大学工学部4年

最近は,期待値計算におけるバイアスとバリアンスのトレードオフについて考えている人類になっている.
やっぱり,言語的合理性と身体的合理性って違うよね
とりま,点前をするか…

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4/24【KH Coderっていいよね】(オンライン開催)

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KH Coderという計量文字列分析アプリケーションがあります。
数段階の操作をすれば、多変量解析と呼ばれる方法で量的に文字列(テキスト、テクスト)を分析できます。
社会学者の樋口耕一氏(立命館大学教授=“KH” は樋口氏のイニシャル)が開発し、無料で、それほど高性能のPCでなくても利用できます。
学界でも産業界でも、多くの分野で既に活用されていると思われます。
今回の三文会では、KH Coderの操作を実演し、ただ「KH Coderっていいよね」といいたいと考えています(笑)。

●キーワード:KH Coder、内容分析、計量テキスト分析

●文献:
樋口耕一, 2020,『社会調査のための計量テキスト分析 第2版――内容分析の継承と発展を目指して』ナカニシヤ出版.

【一分間スピーチのテーマ】
分析してみたい文字列があればおっしゃってください。
三文会の場で分析を試みたいと思います。

【発表者】
熱川豊紘(にえかわ・とよひろ)
1986年和歌山県生まれ。東京大学文学部を経て、2012年に同大学大学院学際情報学府修士課程を修了。専門は科学・技術政策論。在学中、財団法人東京大学新聞社(現、公益財団法人)に勤務。朝食勉強会、三文会事務局に出向。現在、情報通信企業でマーケティングを担当。

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4/17 第二回【マルクス『資本論』読書会】第一部第1篇 商品と貨幣(オンライン開催)

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マルクス『資本論』を読みたいと思います。

元はドイツ語(一部フランス語)で書かれた書籍ですが、読書会自体は日本語で行い、各種日本語訳を参照しつつ読み進めたいと思っています。
未読でも構いません。予習も前提知識も必要ありません。前提知識を元に通読なさった方には退屈な内容になるかもしれません。

  • 課題本の該当箇所は事前に読んできても読んでこなくても大丈夫です。
  • 途中入退室可
  • 途中で発言してもしなくてもいいです。
  • 第一回に参加していない方でも大丈夫です。
  • 事前にレジュメ(A4 1枚以内)を作ってきてくださった場合は5分ほどで発表していただきたいです。(作らなくてもいいです。)

読書会参加後の推奨

  • ハンドルネームと共に感想を一言でもメールで送ってくださると嬉しいです。
  • 資本論読書会のFacebookページに記載します。文章でも絵でも図でも構いませんが、メールの文章、jpgファイル、mp4ファイルのいずれかだと助かります。(他人の個人情報は記載しないでください。)
  • 宛先:yuriehiyoko@gmail.com

第一回の内容

以下のYouTubeチャンネルで4/15か4/16夜にライブ配信で実施した上、アーカイブも残しますので、不安な方はこちらで確認してください。資本論の読む方の例を話しています。(必須ではありません。)
https://www.youtube.com/channel/UCISzHfkAVCYlPbNeNH3tHOQ

【1分間スピーチのテーマ】
『資本論』を読むとしたらどこから読みますか。(どこから読みましたか。)

【発表者】
鈴木柚里絵(すずきゆりえ)
東京大学教養学部統合自然科学科物質基礎科学コース卒業
現在は声の仕事で生計を立てています。
Twitter→@yuriehiyoko

月1回日曜日11時〜13時オンラインで資本論読書会を実施しています。
参加費無料で、参加条件なしです。是非ご参加ください。

ひよこ読書会Facebookページ
https://www.facebook.com/ひよこ読書会-102493845202143/

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4/10【東大女子はなぜ少ないのか?】オンライン・オフライン開催

 

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2021年度の東大入試では、女子比率が過去最高の21.2%となったというニュースがありました。とはいえ過去最高でも、まだ20%です。World University Rankings 2021 での上位10大学での女性比率は最低でも36%です。まだまだ東大女子は少ないのではないでしょうか。

今回の三文会では、東大女子として過ごした経験のある発表者が1)東大女子は本当に少ないのか、2)どの段階で東大女子は少なくなるのか、3)東大女子が少なくなる理由はなぜかを探っていきます。

発表者はジェンダー論の専門家ではありませんが、統計などの情報をもとに論を展開していきたいと思います。

東大そのものやジェンダー問題にご興味のある方はぜひご参加ください。論もまだまだ未完成で、今回の発表を通じてみなさんとディスカッションすることによって磨いていけたらと思っています。

【1分間スピーチのテーマ】
自身の性別による差別を感じることはありますか? それはなぜですか?
※三文会では会の最初に、自己紹介とテーマに沿った話を1分程度でお話しいただきます。

【発表者紹介】
冨田佳奈(とみたかな)
2012年に東京大学教養学部文科2類に入学。ちなみに2外はスペ語でした。いまはスタートアップ支援をしています。博士課程へ進学しようかどうか迷っています。

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4/3【『中動態の世界-意志と責任の考古学-』を読む】オンライン開催

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國分功一郎の『中動態の世界-意志と責任の考古学-』(医学書院を読みます。

これは受動態でも能動態でもなく、中動態というかつて存在していた言葉のあり方を探す冒険の書です。

仕事でも恋でも勉強でも、私と誰かの関係に疲れ切っているあなたには、もう壺を買うか、この書を読む以外には、癒しは残されていないかもしれません。

著者は、哲学を研究する方ですが、大学時代にこの中動態を知り、精神医学の臨床の場からその可能性に気づき迷宮の階段を降りたそうです。おそらくは、壺が保険適用されなかったことに、この書が生まれる可能性の一端があったのではないでしょうか。

中動態という言葉と、それを通した世界の見え方に出会うことで、社会保障費の増額に苛まれる日本という国家の行く末を案じたり、中動態ではなく、壺を保険適用することで、国民の平和を祈念したり。

そんなことよりも、FaceAppで加工された存在しない人間に恋をしたり、Vtuberの中の人を想像しないというような抑制的な創造性に立ち会ったりしながら、聖火リレーに参加できない土曜日を過ごしたい方にオススメの会です。

【1分間スピーチのテーマ】
私でない誰かになるとしたら、誰になりたいですか?(新垣結衣以外でお願いします)

【発表者】
辻(壺を売ります)

「もう責任はこりごりだ」ハンスはそう呟いた。 この文を読んだ時、あなたの中にハンスが降臨した。ハンスはおそらくは男性で、日本人のステレオタイプなイメージで、少しがしっりした欧米人を思い浮かべたのかもしれない。責任はこりごりだ、こんなことを言う子供は嫌なので、あなたたちの中でハンスを少年と思った人は、あまりいないのではないだろうか。たった一つの文を読んだことで、あなたは、今までの経験からありもしない偏った世界を生み出してしまったのだ。つまり何が言いたいかと言うと、私はハンスではない人です。

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3/27【『「事業を創る人」の大研究』を読んで企業内事業開発を知る】オンライン開催

次回三文会では、企業内事業開発の実態について学び、対策について考えます。

 今回は、田中聡・中原淳『「事業を創る人」の大研究』2018年、クロスメディア・パブリッシング(インプレス) についてスライドをまとめたものを発表します。
企業内起業や新規事業開発、というと意識が高そう、とか、花形そう、というイメージがあるかもしれません。
しかし本書では、新規事業担当者に投げっぱなし、既存事業からの反発、などなど多くの苦労があると書かれています。
個人によってイメージや経験が異なっている企業内での事業開発について、本書を読むことでまずは実態を知り、対策を考えてみませんか?

今回は本書の内容をまとめて発表することで、企業内の事業開発に関する認識を揃え、
今後企業内で事業開発を行う際のヒントになるような内容をお伝えできたらと思います。

発表者は企業内事業開発に携わっていないので、ぜひ実際に経験した方もいらしたらお話を伺いたいです!

【参考文献】
田中聡・中原淳『「事業を創る人」の大研究』2018年、クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

◯上記の内容は下記Webページでも紹介されており、本のかなりの内容をカバーしているようです。ご興味のある方はご覧ください。
https://tomoruba.eiicon.net/articles/series/田中聡氏%20連載企画%20「事業を創る人」の大研究?page=1

【1分間スピーチのテーマ】
企業内起業へのイメージは?自分もやってみたいと思いますか?

【発表者】
冨田佳奈(とみた かな)
2018年農学生命科学研究科修了。某アクセラレーターで働いています。
転職をそろそろ考えています。(数年での転職を勧められる職場なので)

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