次回のテーマは「記憶」、それも単なる記憶ではなく「集合的記憶」というものです。 社会の中での大きな記憶、とも言い換えることができるでしょうか。 この壮大なテーマで発表してくださるのは東工大で社会について研究されている吉立さん。 私たちにとって記憶とはどういうものか、改めて考えてみませんか?
以下、発表者の吉立さんによる告知文です。
東工大で修士をしております,吉立開途(よしたてかいと)と申します。 今は進化シミュレーションを行う研究室に属しております。
さて,今回は専門というわけではありませんが,かねてより気になっていた『集合的記憶』という概念をキーワードとした発表させていただきたいと存じます。
集合的記憶というと,それほど一般に馴染みがある言葉でもないと思います。 「人びとは,個人として想い出すのではなく,社会的存在として想い出す」敢えて非常に乱暴に要約すれば,このような発想です。
この概念を提起したのは,戦前フランスで活躍した社会学者のモーリス・アルヴァックスで,志半ばで生を絶たれた彼の遺志を継ぐかたちで多くの人々が集合的記憶を発展させてきましたが,なお検討の余地を持つ概念でもあります。
今回の発表では,「何が集合的記憶か」といった理論についてではなく,もっと個別具体的な話をさせていただこうかと思います。 いくつかの事例研究を通じ,我々にとっての記憶,あるいは過去といったものが我々にいかなる意味を持つのか,そのことについてご一緒に考えられれば幸いです。
【一分間スピーチ】 もう想い出の中にしかないが,しかしあなたにとって大切なものをお教えください。
【発表者プロフィール】 吉立開途(よしたてかいと) 東京工業大学社会理工学研究科に修士として在籍中。学部時代は文学部。
三文会では発表者を募集しています。
興味のある方はsanmon-