三文会

東大周辺で毎週土曜朝に行っている勉強会です。毎週違う人の話を聞きながら、参加者と発表者が相互に議論をしあいます。テーマ、参加者ともに多様性が特徴です。※2020年3月から、オンラインで開催しています。

6/5【運と不運】(オンライン開催)

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我々は、運命のなかで生活しているという感覚を持っている。そこでは、「運」と「不運」が絡み合って現れているかのようだ。それらの出現は偶然なのだろうか? 必然なのだろうか? 特に、ごくまれな現象であるのに、ある一定の年数では必然というものもある。巨大地震の発生がその例である。また、まれな偶然と思っているものが、実は確率的には、大変起きやすい現象の場合もある。

このように確率の問題を扱っていると、私たちの日常生活というマクロな挙動がそれに支配されるのは当然と思えてくる。しかしながら、実はミクロな原子分子電子の世界を追求していっても確率現象表現につきあたる。物理学では、観測における「粒子」の存在すらある確率に支配されているとする量子力学を認識の根底に置いている。その確率を表記するものが「波」である。観測をすると、「波」は収縮して「粒子」の存在となる。その解釈で、 応用工学上は何の問題もない。ところが、最近そのような確率表現を避けるために実現世界の方をどんどん増やしていくという解釈「多世界理論」が現れた。偶然を必然で記述したい人間の欲求だろうか?

現実社会ではいわゆる「スピリチュアル系」の人達が物理学理論を根拠もなく表面的に使って巧妙に単なる「自己中心的な宗教」に利用している。このあたりも注意したい。

【一分間スピーチのテーマ】
景品を当てるゲームに参加してみよう。A、B、C の3つの箱のどれかひとつに大当たりの景品(金貨)が入っている。 仮にあなたが A を選ぶと、もちろん当たる可能性は 1/3 である。

ここで、ゲームの司会者が B の箱を開けて見せると、それはカラだった。そこで司会者は「今なら、選ぶ箱を A から C に取り換えてもいいですよ?」と言う。あなたならどうするだろうか。A のままですか? C に取り換えますか?

【発表者】
夏目雄平 千葉大学名誉教授・物理学専攻

【当日用いる資料】

drive.google.com資料は補助資料的な立ち位置で、資料をもとに議論を深めたり、物理学に対する考察を深めたりすることが目的です。事前に目を通して、当日鋭い質問をしていただけると盛り上がって助かりますが、特に見ていない場合もわかるようにお話します。

【スケジュール】
8:00~8:30 参加者の自己紹介+発表者のお題に沿ったコメント(1分間スピーチ)
(三文会では会のはじめに、参加者のみなさんにひとり1分程度お話しいただきます)
8:30~9:40 発表
9:40~10:00 参加者と発表者の感想
※8:00開始は固定ですが、その他の時間は変動する場合があります

【参加費】
無料

【参加方法】

  • 事前登録は不要です。
  • Zoomで開催します。(※事前のダウンロードが必要です。)
  • 時間になったら下記のURLをクリックし、入室してください。マイク付きイヤホンを使うとより快適です。
    会議URL: https://us02web.zoom.us/j/89654422676?pwd=dHc0ZXpMYzRudUNtTnA3ZVdKV1N1UT09
    ミーティングID: 896 5442 2676 パスコード: 561812

三文会では発表者・参加者・運営を募集しています。
興味のある方はsanmonkai.utあっとgmail.comまでご連絡ください